認知症の方の行動の一つとして、現役時代の職業行動があらわれることがあります。
今回は、いくつか私の職場経験からその仕事(職業)による行動を書いてみました。
認知症については医師の専門的なアドバイスが必要だと思います。こちらのページでは、認知症への理解、認知症の方に寄り添った私なりの対応の経験、認知症のご家族を抱える方が共感できるような内容を掲載しております。もし、私だったらこんなふうに対応をするなと思われた方は是非ご意見をお聞かせ下さい。
仕事(職業)による行動 その1
大学の先生
ゆっくりお茶を召し上がってください。
早くするように言ってくれ。
気持ちは大学のお部屋にいるのでしょうね。
スタッフはその時に応じて秘書になったり、助手になったりします。
新聞や本、お茶などをお持ちすると落ち着かれるようです。
仕事(職業)による行動 その2
幼稚園の園長先生
テーブルを拭く、コップを並べる、お菓子を配る
手を洗って席について下さい。
おしぼりを配る
こまごまと世話をする
声をかけ、世話をしています。優しい声と笑顔をふりまいて本当に楽しそうです。
ここで注意したいのは施設等ならば他の利用者の方の「気持ち」です。
コミュニケーションが取れていない場合は、トラブルの要因となる事がありますのでスタッフの方の心配りが必要、不可欠です。
仕事(職業)による行動 その3
りんご園の人(長野県でのお話)
毎朝お天気が良いと外へ出たがるAさんに付き添って外出する事にしました。
Aさんは迷う事無く、まっすぐりんご畑へ行きました。りんごの木を1本、1本見て回りブツブツ一人ごとを言っています。
昔、Aさんはりんご園で働いていました。
そういえば、りんごの花が咲く頃になると落ち着かなくなるのでした。
りんご園の持ち主に事情を話して何か出来る事があったらとお願いしました。
朝、晴れているとりんご園に出かけて行くAさんの表情が明るく、今、不穏行動はおきていません。
ホームヘルパー1級の資格を持ち、2006年のたんとぽけっとの介護アドバイザーとして、豊富な在宅介護経験と介護職経験から高齢者と心を通わせるためのヒントを伝授。