認知症徘徊老人の鉄道事故

認知症徘徊老人事故

少々前の話しではありますが、多くの方の記憶に残っている認知症事故として、2007年の愛知県でJR駅の線路内で老人がはねられた事故がありました。
老人は91歳、認知症で徘徊の症状がありました。妻と二人暮らしで、他県で暮らす長男の妻が近くにアパートを借りてお世話をしていました。

JRから事故処理にかかった費用720万円の損害賠償が家族に求められました。裁判となり、「家族の監督義務」で一審は妻と長男の請求通りの判決、二審は同居の妻のみに360万円の判決、2016年3月1日、最高裁で「監督義務なし」の判決がおりました。

9年の歳月には個人対企業の圧力もあり、辛い日々だったが家族の会、同じような経験者、支援団体にささえられて頑張ってこられたとご長男の言葉がありました。

「認知症」への理解、老老介護の生活環境と状態を考慮した裁判が行われたと思います。

2014年4月に「精神保健及び精神障害に関する法律」というものが施行されました。その中に「保護者監督義務責任制度の廃止」と記されています。それまで「責任義務」とあったものを支援や介護を地域主体にしたことにより改正されたようです。

今回の裁判で家族の負担が無くなり、相手が大企業であり、当然保険にも加入していると思いますので、これでよかったとは思います。

しかし、個人の自動車事故のような場合「前方不注意」となり、運転者に相応の負担がかかってくるようです。交通量の多い道路を平気で渡ろうとする徘徊の父親に付き添った経験から運転者だけでの責任ではない気もします。

高齢者の運転での事故も増え、免許の自主返納制度も予想より進んでいない状況で、これからさらに高齢化が進む中で事故も多発していくと思われます。
国の施策として具体的な支援、補助を示してほしいと思います。

最近では、認知症の方・ご家族のための個人賠償責任補償が付いた保険も発売されています。

話したり、聞いたりすることで不安解消!認知症の家族の交流

2019.01.11



ABOUTこの記事をかいた人

ホームヘルパー1級の資格を持ち、2006年のたんとぽけっとの介護アドバイザーとして、豊富な在宅介護経験と介護職経験から高齢者と心を通わせるためのヒントを伝授。