認知症の母のお話①

認知症の母
同居中の軽度認知症の母との出来事を日記のように書いています。気楽に読んでいただければと思います。

母にとってはみんな現実

テレビを見ていて嵐の櫻井翔君が画面に映ると義母の幸せな妄想タイムが始まります。
遠い親戚の子だったのではと一生懸命に思い出そうとするのです。

兄貴の長男の息子だったか、次男の息子が確か芸能界デビューした筈だから、この子がそうに違いないって感じで話すのです。

一番最初に聞いた時は「マジか⁈」と私もソワソワしました。
それで主人に聞いてみたら、「そんなことはある訳がない」とのがっかりした返事。

そもそも義母は、兄弟とはずっと疎遠にしているそうで、そんな情報が入ってくる筈が無いそうなのです。

それでは念のためと思い、ネットで調べてみましたが、やっぱり全くの無関係でした。

よくよく考えてみれば、認知症になる前は櫻井翔くんは親戚の子供だとは一切言ったことがありませんでしたので、やはり義母の妄想なのだと気が付きました。

そう、義母の旧姓が「櫻井」だったため、いつのまにか親戚の子と思い込んでいるようなのです

最初の頃は、この調子でデイサービスなどで櫻井翔くんは親戚の子だなどと話したら、困った事になりはしないかと思いましたから、「なんか違うみたいよぉ〜」とか、「それは勘違いなんじゃなぁい?」とか、なるべく柔らかく否定していました。

ですが、何度言っても、義母の「櫻井翔くんは親戚の子」という記憶は一向に消せませんでした。

なので最近は否定も肯定もしない事にしています。考えてみれば、義母が何かを一生懸命思い出そうとしているのであれば、それはそれで少しでも脳が活性するかなぁと思うのです。

最近は「どうなるかと思ったけど頑張ってとうとうここまできたか」とか、

「頑張っているようで大したもんだ」とか「まだまだ若いわねえ」と、時には小さい頃から知っているかのように、時には上から目線だったり、いろいろな意見も付け加えられています。

有名人の遠い親戚なのだと思うことで、義母はちょっと幸せな気持ちになってるようなので、このまま放置です(^₋^)

そして、どうか誰も信じませんようにと日々祈っています。

雪が降っている映像が出ると、防寒対策をとアワアワします。

自分の所ももうすぐ雪が降ると思ってしまいます。
竜巻が発生している映像だと母にとっては大事件発生。
もうすぐ竜巻が‼︎どうしたらいい?

とやっぱりアワアワ。

雨が降っている映像では洗濯物の心配をします。
遠くの話だよ、とか以前撮った録画の放送だよと正確な情報を教えます。

時々若い俳優さんを見て「あんなに小さかったのに、こんなに大きくなって!」その人は子役から出ている俳優さんではありません。

そしてごくたまに、近くに住んでい事にまで話が大きく発展。
母の脳裏にはその俳優さんのどんな姿の子供時代が浮かんでいるのでしょうか。謎です…。

認知症になりたて?の頃、テレビや広告を見て、「美味しそうねぇ、一度食べてみたいね」と言うので該当するお菓子や食べ物を近日中に買って帰ります。

で、食べたいって言ってたからと言うと、すっかり記憶がない。

いやいや、

あんなに食べてみたいって言ってたでしょと、ツッコミを入れたくなりました。

最近は慣れたもので、そうだねぇ、美味しそうねぇ。とだけ答えています。



ABOUTこの記事をかいた人

手芸などの手先を使うことが得意で、レク向けの商品企画開発などを担当しています。同居の姑は軽度認知症で、デイを利用しながら日々サポート中。米津玄師が好きな40代女性です。