認知症の母のお話②

お菓子
同居中の軽度認知症の母との出来事を日記のように書いています。気楽に読んでいただければと思います。

姑が認知症になりたて?の頃、慣れなくて戸惑ったことがあります。

姑はよくテレビを見て、

「美味しそうだ」「あそこに行ってみたい。」「あの人の化粧はおかしい。」黙って見ていることがありません。

何かしらしゃべっているので、舅にも「ウルサイ!!黙って見れないのか!!」と言われてシュンとする時もあったほどです。

時には、美味しそうなお菓子や食べ物に強く反応することがあり、

「美味しそうねえ。生きてる間に一度は食べてみたいね。」と言うので該当するお菓子や食べ物を何度か買って帰っていました。
もちろん、わざわざ足を運んで買いに行ったのではありません。通勤途中に少し足を延ばせば買えるとか、近くについでの用事を作ってとか。

姑に、「食べたいって言ってたから買ってきたよ」と渡しますが、その頃にはすっかり記憶がありません。

「少し前の、あのタレントが出てた、あの番組で出ていたお菓子だよ。」と詳細を説明してみても、まったく思い出せません・・・。

いやいや、あんなに生きてる間に一度食べてみたいって言ってたでしょと、ツッコミを入れてみるも、全く思い出せません・・・。
まるでコントのようなやり取りをしてみるも、姑の記憶は結局最後まで甦らないことが多くなりました。

最初はそんな姑が信じられなくて、本当に驚いたものです。

あの時は、「生きてる間に一度は食べてみたい。」とさえ言っていたのに、こうもキレイさっぱり忘れてしまうのだろうかと信じられない気持ちでした。
数日前だったり、昨日話した出来事だったりするのにすっかり忘れているのです。

様々なキーワードでその時のことを思い出せるうちは心配ないそうですが、全く無かったのと同じ状態になってしまうのが認知症だそうです。

最近は慣れたもので、「美味しそうだねぇ。食べてみたいね。」と言われても「そうだねぇ、美味しそうねぇ。」とだけ答えられるようになりましたし、
買ってきてた時に忘れてても、慣れたものでスルーできるようになりました。

そうそう、便利(?)なこともあります。

美味しかったそのお菓子を、再度買って帰っても、姑にとっては初めてのお菓子。

「こんなに美味しいお菓子、初めて食べたわ!!」と感激してくれるところです。
少し前は、「前にも買ってきたよ。」と返事をしていましたが、最近では、「好きかなぁと思って買ってみたよ。」と言っています。

そんな時「私の好みを分かってくれて嬉しいわ」とさえ言ってくれる時もあります。
忘れてしまうのも、時にはまんざらでもないかもしれませんね・・・。



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手芸などの手先を使うことが得意で、レク向けの商品企画開発などを担当しています。同居の姑は軽度認知症で、デイを利用しながら日々サポート中。米津玄師が好きな40代女性です。