1時間余り待っていた私の隣に座っていた親子の会話が耳に入る。
白杖を持った年配の母親と娘さん。
昔の人の話をする母親にスマホを持って聞き流す娘さん。
近隣の方の話になった時、「もう何回もその話しているでしょ。人の話をよそでしない方が良いからね」とぴしゃりと言われた。
かいがいしく手をひき、診察室、処置室、トイレにとお世話をする娘さんの様子に感心していた私。
でもしょんぼりと俯き
「長い間見たいと思う物が見えず、色も分からない毎日。私は何時まで生きるのかしらね」
ポツリと言われた言葉にハッとした。
介護の中で大切な事はその方の生活支援と思いを知る事、寄り添う事お話を聴く者として改めて気づかされた。
ホームヘルパー1級の資格を持ち、2006年のたんとぽけっとの介護アドバイザーとして、豊富な在宅介護経験と介護職経験から高齢者と心を通わせるためのヒントを伝授。