認知症の方の仕事(職業)による行動のお話②

認知症の方の行動

認知症の方は、バリバリ仕事をしていた・仕事に充実していた頃に戻ることが多いようです。
今回は、そんな方々の様子をご紹介します。

認知症については医師の専門的なアドバイスが必要だと思います。こちらのページでは、認知症への理解、認知症の方に寄り添った私なりの対応の経験、認知症のご家族を抱える方が共感できるような内容を掲載しております。もし、私だったらこんなふうに対応をするなと思われた方は是非ご意見をお聞かせ下さい。

仕事(職業)による行動 その4

夜中のホームフロアー、スタッフが見回りをしています。

おじいちゃん
こんな夜中に何をしているんだね?
スタッフ
巡回中です。
おじいちゃん
巡回?どこを?なんで?今、私がしているんだ。
若い女の子が一人で歩いていたらだめだ。早く帰りなさい。
スタッフ
仕事が終わったら帰りますから、おまわりさんも早く寝て下さいね。
おじいちゃん
いやいや、私は仕事中だから。
スタッフ
そうですか。途中まで一緒に行ってもらえますか。

スタッフが部屋に誘導します。
夜中にホーム内を歩き回り、会う人会う人に職務質問をしています。今夜は夜勤のおまわりさんのようです。

仕事(職業)による行動 その5

うどんを打つAさん

あるグループホームを訪問しました。

私
今日はうどん作りをご一緒させていただきます。

念入りに手洗いを済ませ、大きなテーブルを囲んでまずはご挨拶。
テーブル上には大きなボールに入ったうどん作り用の粉と水が用意されています。

お手本はAさん(84歳)。

水を少しずつ加え、粉を練っていきます。

私
水は何cc入れるの?
おじいちゃん
そんなの手でこねた感じさ」

水の分量はAさんの長年の経験の「良い加減」で決まります。
手指についていた粘粘が、いつの間にかきれいな大きな塊になりました。
それからテーブルの周りで順番に力を込めてこねました。

私
まだー?」
おじいちゃん
まだまだ

なかなかAさんのOKが出ません。

おじいちゃん
耳たぶぐらいの柔らかさかな

思わず耳に手をやってしまいました。

Aさんの指示のもと、ワイワイ、ガヤガヤやる内に滑らかなうどん種ができました。
ここで、うどん種も人間もちょっとお休み。

 

今度はのし棒を使って薄く広げる作業です。
Aさんの見事な棒さばきで厚さが均一に形良く広がっていきます。

 

私たちがのし棒を使うと、厚さが均一にならず、形も変形しています。
Aさんに笑われて、再度均一な厚さに挑戦。

薄く大きく広がったうどん種をアコーディオンたたみして、端から細く切っていきます。細く切らないと茹で上がったとき、ほうとうのようになってしまうことをあとで知りました。

 

Aさんの包丁さばきもすばらしいものでした。

スタッフの方が大なべで茹でてくださり、出来立てを、用意された薬味とつゆでいただきます。

「美味しい」と歓声が上がります。「この太いの誰がきったの?」
またワイワイガヤガヤです。

 

ニコニコ顔のAさんは満足そうでまったく認知症を感じる事のないうどん作り指南でした。
何事もなく無事に終わりましたが、影で準備したり、気配りをするスタッフの方のご苦労は大変なものだったろうと思います。

楽しい一日をありがとうございました。

認知症高齢者

認知症のおじいちゃんとおばあちゃんのお話

2019.01.06



ABOUTこの記事をかいた人

ホームヘルパー1級の資格を持ち、2006年のたんとぽけっとの介護アドバイザーとして、豊富な在宅介護経験と介護職経験から高齢者と心を通わせるためのヒントを伝授。