高齢者の転倒事故等の多くは、平らな道や住まいの敷地内で起こっています。
よく言われる段差や浴室等住環境の他にも、「意識」や「暮らし方」が大きな要因になっています。
転倒による骨折からの寝たきりを予防し、元気に高齢期を過ごすため、住まいや暮らし方を点検が必要です。
それでは、年齢を重ねるとなぜ転倒しやすくなるのでしょうか?
高齢者が転倒してしまう主な理由
視力の低下
小さな障害物に気づきにくくなる。
神経の働きの低下
目・耳・手や足などからの情報が減るため、判断が遅れがち
関節の痛みや障害
関節がスムーズに動かなくなり、身体が対応しにくなる。
薬
薬によってはふらつきがでることがある。多種類の服薬には要注意。
バランス機能や筋力の低下
ふらついた時に体勢を元に戻したり、踏ん張る力が弱りがち
住環境
段差、暗がり、スリッパなど
身体能力や段差解消のための住宅改修ではなく、
家屋や暮らし方についてチェックしてみましょう。
家屋のチェック
- 床の上に新聞、雑誌、コード等の障害物が多くないですか?
- 日中でも家の中や階段・廊下が暗くないですか?
- 敷物の縁が波打ったり、持ち上がっていませんか?
- 浴槽や洗い場が滑りやすいくないですか?
- 物干し場の足場が不安定でありませんか?
- 物干し竿が高すぎませんか?
気になる方は以下のことを心がけましょう
- いつも移動する場所は通りやすいように家具の配置を行いましょう。
- バランスを崩す原因になりがちな床の上のものは片づけましょう。
- コードは壁際にまとめて寄せましょう!
- 暗いと段差を見落としがちです。転倒防止のための足元ライトなども有効です。
- 浴室の床の滑り止め材質のものを敷いたり、安心のために手すりの設置も有効です。
- じゅうたんなどの縁を両面テープや滑り止めマットで留めましょう!
- 物干し場の足元は平らにし、低くて干しやすい物干しを使いましょう!
日常の動作や心がけのチェックしてみましょう
- 踏み台に立って、物の出し入れなどの作業をする。
- つい階段に物を置いてしまう。
- 年齢の割に気丈で自信過剰のところがある。
- いつも多忙でバタバタしている。
気になる方は以下のことを心がげましょう。
- 大きな段差には踏み台を置く
- 動作をゆっくり分割して、一つ一つ、完了してから次の動作を行う。
- 不自由を感じたら二階は使わない。
- 体力年齢を意識して無理をしない。
- よく使うものは楽に出し入れできる場所に移動する。
家屋状況を把握し、自分の生活にあった環境調整を行い、笑顔で元気に過ごしましょう。
(参考「京都府転倒予防強化モデル事業・京都府丹後保険所報告書」)
ホームヘルパー1級の資格を持ち、2006年のたんとぽけっとの介護アドバイザーとして、豊富な在宅介護経験と介護職経験から高齢者と心を通わせるためのヒントを伝授。