前回に続いて、ユニバーサルデザインを理解するための七原則をご紹介します。
今回は、「単純で直感的であること(単純で直感的な利用)」です。
これは、使ったことのない人でも、色や形状からどう利用するのかがわかるということで、不必要な複雑さがなく、使い方がわかりやすいことがポイントです。
使う人の言語能力や集中力に関係なく、誰にでもわかる用語や言い回しをもちいたり、情報を重要度の高い順にまとめたり、操作のための案内や操作確認を効果的に提供することなども要素として挙げられます。
例えば洗面台の水道の栓でふたつあるところでは、水は青い印のところ、湯は赤い印のところといったように印がついています。これは色によって直感的に冷・温がわかるようになっているわけです。
「押せば光る」「押せば動く」といったような、操作する人の期待と機能が一致するという点も重要です。
電気のスイッチは押せば明かりがつくと推測できます。押せばよいことは、使った経験やこれが何かという
知識がなくても、目で見ずに手で触っても利用方法がわかります。
期待どおり明かりが点くわけです。
また、スイッチ自体も、明かりが点いていないときは内蔵されているランプでスイッチのありかを知らせ、明かりが点いているときはそのランプは消えているといった、操作をうながす機能を持つものも現れています。
操作の説明書きを言葉ではなく図示してあるのもユニバーサルデザインの視点に基づいたデザインといえます。使う人の言語能力に依存しません。
その他に、銀行のATMは現金を預けたり、受け取る場所が明確になっていたり、扉が開くなど手順に必要な場所が明示されています。
ホームヘルパー1級の資格を持ち、2006年のたんとぽけっとの介護アドバイザーとして、豊富な在宅介護経験と介護職経験から高齢者と心を通わせるためのヒントを伝授。