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認知症の方とのおはなし

認知症の方とのおはなし第1回

認知症の方とのいろいろな場面を通して、
対話形式ですすめていきます。

認知症の方を
黒字で、聞き手を赤字
表示しますので気持ちを込めて読んでみて下さい。

また、私だったらこんなふうに対応をするなと思われた方は
是非ご意見をお聞かせ下さい。


私は認知症です。

過去のことを思い出せず、この先どうなるかもわからないというのは
暗い穴の中に居るようでとても不安です。


考え出すと不安で心配で眠れない。
何かを忘れているのではないか、大事なことを
忘れているような気がする。
約束をして誰かに迷惑をかけているかもしれない。

目的を持って外に出たのに途中で何をしに、
どこへ行こうとしているのかわからない。
考えても考えても頭の中がぼーっとして
思い出せない。

夫の声は大きく、絶えず叱られているようで恐いのです。
本当は私の事が気になって、心配してくれているのだと
わかっているのですけれど。

不明瞭で抽象的な事は理解出来なくなりました。
長い説明は覚えてられないし、同時に2つ以上の事を考えるのも
困難になりました。

静かに、ゆっくり、おだやかに、短い簡単な言葉で
話しかけて下さい。

美味しい物を作る事が出来なくなりました。
作り方が思い出せない。
誰かが用意してくれた物は美味しいと感じるのに。

買い物に行っても何を買いに来たのか思い出せず、
余計な物を沢山買ってしまうのです。

計算が分からなくておつりをもらうので小銭がたまります。

    

大切な物が見つからなくなりました。
大切だから大事にしまったはずなのに。
どうしてかしら?

自分で楽しみを見つけられなくなりました。
誰かと一緒なら歌を歌っても、絵を描いても、
散歩に出てもとても楽しいのに。
















私はこんな自分が嫌いです。

だから、いらだち、気難しくなったり、意地悪になったりします。
時にはパニックになって、あばれて貴方を困らせるかもしれません。

そんな時にはそっと私の手をとり、静かにさすって下さい。
私を見て、私に触れて、そして笑顔で話しかけて下さい。
それだけで私は落ち着く事が出来るのです。
〔コメント〕
認知症の始め、無くなっていく記憶への不安を訴えています。
認知症の方は自分自身が段々無くなっていく事を体験しています。

見当識障害・記憶力の低下
理解力・思考力・集中力の低下
判断力の低下
実行機能の低下(計算力・自発性)


認知症が進んでこれらの能力が無くなっても
「愛は最後まで感じる事ができます」という認知症の方の言葉が
難しいケアに対応する原点ではないかと思います。


第2回に続く